対象疾患

生活習慣病(2型糖尿病 、高血圧、高脂血症、痛風、脂肪肝など)、
1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)

診療方針

上記の生活習慣病は薬物療法が必要な事が多いですが、食事、運動などの生活習慣の改善により薬など飲まなくても解消することが少なくありませんが、専門病院でも受診した当日に処方されることが少なくありません。当院は特に働く世代を対象と考えておりますので出来るだけ投薬せず、食事運動といった生活習慣の改善で治療する方針です。投薬をする場合でも最小限となるようにしていますが、健常者と同等になるように薬物療法を行っています。
・ 2型糖尿病では健康診断で異常を指摘されないHbA1c5.5%以下を目指します。2013年に学会で提唱された熊本宣言の7%以下という数字の影響で専門病院でも6%台なら良いとされていますが、6%台では動脈硬化は食い止められません。糖尿病治療の“ゆとり教育化”ともいえるこの状況に憂慮しています。
・ 1型糖尿病ではインスリン注射は不可欠ですので自己血糖測定をおこないインスリン投与量の調節をして良好な血糖コントロールを目指します。
・ 境界型糖尿病、グルコーススパイク(食後過血糖)ではHbA1cでは評価できませんので、自費診療となりますが、グリコアルブミン、1,5AGの検査に加え、持続血糖測定のできるフリーススタイルリブレプロも用いながら健常者同等の血糖管理を目指します。ブドウ糖負荷試験などで境界型と診断されると生活習慣に気を付けるようにとだけ言われ治療終了となることが少なくありませんが、この時期に動脈硬化が進んでしまうので健常者同等にしていかなければなりません。テレビなどでグルコーススパイクが問題と言う割にその評価・治療が行われていません。その解決策を境界型糖尿病外来として行っています。

栄養指導

生活習慣病の改善には食事が最も重要です。食事の改善をせずに薬で数値を下げても、その効果は一時的でしかなく、より強い薬、複数の薬を飲まなければならなくなります。当院では食事、運動で生活習慣の改善を図ることを基本方針としていますので、食事に関する指導は栄養士による指導を行わず、診察時に院長が行っています。診察時の指導のかいもあり、通院中の2型糖尿病の患者さんの半数は内服治療を行っていません

検査について

糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、脂肪肝では毎月血液(尿)検査をおこないデータの改善の有無をチェックしていきます。糖尿病では血糖コントロール状況の把握を十分に行うために血糖値だけではなく HbA1cグリコアルブミン1,5AG の3つの血糖指標を同時に測定します。この3つの指標の同時測定は血糖コントロール状況の把握に非常に有用なのですが、保険診療では月に1項目しか認められていないため、病院負担で3項目測定し良好なコントロールの維持に役立てています。

自費診療

当院は保険医療機関ですが自費診療も行っています

 1  セカンドオピニオン外来  ・・・・・  ¥11,000(30分)
・ 他院に通院中であるが、現在の治療方針に不満がある。
・ 治療に不満はないが、薬をやめられるかどうか知りたい。
・ 医者を変えようか迷っている。など上記のような場合、セカンドオピニオンとして受診されることをお勧めします。(順天堂での費用は¥20,000円~です。治療に不満がありながら我慢している方が多いので低料金で実施しています。)
 2  生活習慣病健康診断  ・・・・・  ¥11,000
糖尿病、高血圧、高脂血症、痛風、脂肪肝のチェックを行います。
 3  動脈硬化検査  ・・・・・  ¥4,400(通院中の方は¥3,300)
PWV ABI測定により動脈硬化度を診断します。
 4  境界型糖尿病外来

持続血糖測定(リブレプロ)

・・・・・

・・・・・

 ¥4,400(検査料)¥3,850(診察料)

¥11,000(検査料)

1,5AG &グリコアルブミンは保険診療では境界型の方には検査できません。自由診療になりますが、境界型の方にこの検査をし治療効果判定をしていきます。検査は1,5AG &グリコアルブミン、HbA1c、血糖の4項目の測定です。必用に応じてリブレプロを用いて持続血糖測定をおこない血糖値の改善に役立てます。リブレプロはリブレと異なり8時間ごとに測定の必要がないため容易に2週間連続測定が可能です。
 5  ブドウ糖負荷試験  ・・・・・  ¥13,200
ブドウ糖負荷試験は検診などで糖尿病が疑われた方に行う検査ですが、血糖値が高い、尿糖が陽性などの指摘がない方が負荷試験を希望される場合は自由診療となります。当院では血糖値だけでなくインスリンも同時に3時間まで測定し遺伝的要素であるインスリン分泌の遅れがあるかどうかの評価もしています。
用語解説
 HbA1c 過去1~2ヶ月の血糖値の平均の指標です。血糖値 と異なり測定日の食事の影響は受けません。糖尿病コントロールの指標としてスタンダードですが、1~2ヶ月の平均であるため変化が鈍いのが特徴です。
貧血があると低値を示します。正常値5.8%以下。糖尿病患者のコントロール基準は6.5%以下とされています。
 グリコアルブミン 過去1~2週間の血糖値の平均の指標です。測定日の食事の影響を受けないのはHbA1c 同様です。1~2週間の血糖値の指標であるため血糖値の改善、悪化を敏感に捉えます。正常値16%以下。
 1,5AG 過去2,3日の血糖値を反映するとされている指標です。HbA1c グリコアルブミンと異なり血糖上昇により低下します。これは体内にプールされている1,5AGという物質が尿糖の出現と同時に排泄されるためです。食後のみ高血糖になる場合、HbA1c グリコアルブミンはさほど上昇しませんが1,5AGは低下します。血糖値の平均の指標というより食後過血糖の有無を反映する指標といえます。
 血糖値 健常者では空腹時は70~90mg/dlで食後でも140mg/dlを越えません。一般に180mg/dlを超えると尿糖が出るといわれています。空腹時血糖が140 mg/dlをこえると糖尿病と診断します。
 1型糖尿病 血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンを分泌する膵β細胞が破壊されてしまうためにインスリン分泌が低下、さらには消失するために血糖値が高くなる病気。通常肥満は認められない。生活習慣の悪化は発症には無関係。
 2型糖尿病 食後早期のインスリン分泌が遅いという遺伝素因を持った人が肥満、運動不足といった生活習慣の悪化に伴いインスリンの感受性が低下し高血糖となる病気。遺伝素因は発症に重要であるが、この50年で患者数が50倍になった事情を考慮すると50年前は遺伝素因を持っていても糖尿病にならなかった人が沢山いたこととなり、発症には遺伝より環境要因のほうが重要であるといえる。